文化政策・まちづくり大学

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総合学術デ-タベ-ス:個人別研究内容(19)高橋幸恵 先生;「社会学・言語学・教育文化経営学における論文作成」入門

日本社会の希望とは

高橋幸恵先生は、社会学、言語学、教育文化経営学の専門領域で、多数の、貴重なご業績を上げられ、それらを基礎として、教育職など、多くの専門職者を育成される教育家である。

一ツ橋大学の大学院で研究されてから、社会人や生涯研究志望者を含む、専門職希望者に対して、学術論文作成支援などを通じて、職業人の自立を達成しうる教育研究内容を身につけけるよう、自ら考えて学習・研究を行うよう導かれてきた。

これは、日本社会では、最も困難な教育領域の一つである。

日本社会の教育は、口では、「人生、何度でも挑戦できる」とか、「人生、再生可能な社会を創る」とか、聞こえの良いことは語られても、実際に、自分で実行される方は極めてまれである。とりわけ、人生において、事故や病気で、あるいは、社会的な排除や差別で、「健康の障がい」、に直面して、職業の変更や資格への挑戦を余儀なくされる場合には、転換過程を支援する社会の仕組みは全くないと言ってよい。

そこにあるのは、既成の、形の決まった職業訓練の場でしかなく、本人の状況に応じ、時代の変化に応答する柔軟性のある、教育や訓練の場はないのである。

このような状況であるから、厳しく模索する中で、高橋先生の下に、辿り着かれた方々も少なくない。

高橋先生は、一人一人の人生構想に沿って、具体的に、「必要な資格」を取得しうる大学や大学院を、絶えず研究しておられて、一人一人の進路や希望に最適な受験準備をさせ、受験を乗り越えて、自分で、自分の道を歩めるよう助言される。

この仕事は、膨大な準備作業と、たえざる研究や学習、調査が必要である。さらには、ひとりひとりと、心が通わないとできない仕事でもある。

多様なニーズに、多様な方法で、挑戦してこそ、開ける道である。

これは「茨の道」というべきであろう。

この道をあえて選ばれる方が存在すること自体、日本社会の希望ではないかと思われる。

 

社会学・言語学・教育文化経営学を志す各位へ

私は、長らく、「文化による‘まちづくり’」の学習や研究に携わってきたので、「文化と経済」の日本柱を基軸として、地域や都市を見つめてきた。

その折に、いつも痛感するのは、経済や経営を研究される人々には、私も含めて、社会学や言語学、教育学などの基礎知識が不足してるのではないか、という事である。

経済学者で一世を風靡された、ロンドン大学教授、森嶋通夫先生は、現代日本経済を研究されて、そこに、「日本的な情念」が関係しているとの画期的な研究を公表された(『日本はなぜ「成功」したか』TBSブリタニカ)。そこには、人間を経済から見るだけでなく、社会全体の中での人格の形成という大きな視点が含まれている。

日本人は、長年の生活や仕事の中で、「忠誠心」という情念を育ててきた。それは、組織への忠誠や企業への忠誠となって、高度成長には貢献したが、個々人の個性や自発性を尊重しあう習慣にかけており、長い目で見ると、発明や発見のイノベーション機会が減少する。

これは、日本経済における生産性の停滞につながり、「失われた○○年」とかの低い評価につながってしまう。これは、画期的な発見であった(私自身は日本人が企業などへの忠誠心という欠点だけでなく、結いの精神=困ったときはお互い様とか、創意工夫する個性的な職人能力とかを合わせて持っているとは思うが)。

また、言語学と関係するのは、「コミュニケーション」能力がもつ、人間発達や人格形成への影響も無視できない。

(© Ikegami, Jun)

 

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