文化政策・まちづくり大学

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池上・総合学術データベース:時評欄(20);智慧の森としての地域-文化、産業、暮らしから地域づくりへ- 2019年10月28日

地域を見る眼を磨く

私は、2011年、東日本大震災を契機に、東北に通うようになった。

そのなかで、復興支援の一環として、これまで、蓄積してきた、大学院大学設立準備資金を生かして、岩手県気仙郡住田町五葉地区に「ふるさと創生大学」学舎・研究棟・哲学の道・ふるさと農園を、地元のご厚意で開くことができた。

京都に次ぎ、学校づくり、第二の拠点を東北にもつくることができたのである。

住田町に来る以前には、隣接する遠野市で、地域コミュニティ(地区と呼ばれている、仕事や住まいの最小単位)における自治の伝統や、小農経営、それを支える産直市場など、特色ある地域づくりの実践力に驚いていた。

そして、この地区の一つが廃校を活用して「遠野早池峰ふるさと学校」を創設され、年間、4千人に及ぶ、交流人口を生み出しておられた。

遠野は、農林工芸産業(とくに、木工団地)だけでなく、精密機械工業や観光事業(関連サービス事業)も発展していて、非常に、特色ある、農工商サービス両全の地域であった。

住田町は、遠野市と基本的には、同様の、小農中心の農林工芸と、建築事業、セメント事業などに特徴がある。観光事業も基盤は整っていて、これからの発展が期待されている。

わたくしは、この地に来たことによって、「地域を見る眼」を磨き、かつ、拓くことができた。今日は、その一端ををご説明して、これから地域を研究される方々にとっての参考情報を提供させていただくこととした。(Ikegami, Jun ©2019)

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